
修道院では毎朝、ミサあるいはみことばの祭儀が行われます。
3月に入ってすぐ、盛岡修道院のミサに珍しいお客様がありました。
道路(通称・白百合坂)をはさんで修道院の向かい側に立つマリア寮で暮らしてきた、5人の高校3年生たち。この日、卒業式を控えた彼女たちは、親元を離れた学園生活を無事に送り、門出の日を迎えたことへの感謝を込めて祈りたいと、そろって起きたての目をこすりながら訪れてくれたのです。一人ひとり神父様の祝福をいただいた後、少し恥ずかしそうな、でも輝くような笑顔を見せて、最後の日となる学校へ向かい、いつものように坂道を登って行きました。
ごく普通の生活を送る高校生たちにとって、毎日熱心に祈ることが必ずしも自然体であるとはいえない時代かもしれません。でも、こうして折々の節目に感謝の心を忘れず、神様のいつくしみと、自分自身よりもむしろ誰かの祈りによって支えられていることの恵みを思い出せる心がいつのまにか育っていたことに、私たちは何よりも喜びを感じます。
この春、旅立ちを迎えるすべての人に、希望の光に照らされた道とさらなる恵みがありますように…。
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